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【活用事例】】探究とキャリア教育を加速させる評価とフレームワーク

山梨英和中学校・高等学校

【活用事例】探究とキャリア教育を加速させる評価とフレームワーク

探究とキャリア教育を加速させる評価とフレームワーク

 

本校は、山梨県甲府市にある中高一貫の女子校です。キリスト教精神を礎とした「確かな学力」の養成と「豊かな人間教育」を両輪とし、カ年一貫教育の中で創造的で主体的な学びを通して一人ひとりの芽を大切に育てることを目指しています。

 

本校でも2022年度から「総合的な探究の時間」をスタートさせることになり、カリキュラム作りを担当することに。探究を通して自分自身を知り、課題を発見し、仮説を立て、周りと協力しながら 課題解決する方法を知ることで、やりたいことが見つかったときにその夢に向かうことがきるようになる考え、カリキュラム検討を重ねました。しかし、年度後半を地域探究とその発表に充てることは早々に決まったものの、そために必要な能力を限られた日程の中でどう育むべきか最後まで悩みました。さまざまな探究用教材に目を通すなかでこの課題解決につながると導入を決めたのが「GROW Academy」です。

 

「GROW Academy」は、思考・判断表現などの資質・能力高めるためのフレームワーク(思考の型)を習得できる動画学習コンテンツです。学校生活を舞台にしたアニメーションで学べるため、生徒が興味をもって自分ごととして取り組めるのではないかと考えました。また、授業1コマで習得できるフレームワークが24種類あり、必要なフレームワークをカリキュラムに合わせて自由に選択できる柔軟性と、付属の指導案やワークシートによって授業ですぐに活用できる利便性も導入の決め手となりました。

 

「GROW Academy」活用に当たりIGSの担当者相談しながら地域探究に向けて身に付けさせておきたいフレームワークを選定。従来のものの見方を補完したり刷新したりするために有効な「システム思考」、集めた情報を基に解決策を導き出すために有効な「情報収集力」の他、情報の真偽を確かめる目をもつために必要な「疑う力」、表現力を高めるために必要な「五感表現」、合理的な意思決定を可能にする「ディシジョンツリー」を「総合的な探究の時間」で扱うことにしました。

 

さらに、夏休みに入る前に、地域探究に向けた演習として「GROW Academy」に含まれるSTEAM入門講座組み込みました。これはフレームワークとは異なり、架空の会社にインターンとして働く設定の下、SDGsについて調べ、その重要性とともに自分の住む県で力を入れるべきSDGsの項目に関してプレゼンテーションにまとめる30分間で行うワークです。時間も短く、どこまでやれるのだろうかと不安もありましたが、生徒たちはそれまでに学んだフレームワーク活用しながら、各グループそれぞれが山梨県に特に必要なSDGsについてその理由とともにしっかりまとめることができていました。その成長に驚くとともに、地域探究に向けて力を着実に伸ばすことができていると嬉しく感じました。

 

▲「GROW Academy」を活用した授業の様子

 

この探究による成長を可視化するため「GROW Academy」に続き導入したのが、生徒の資質・能力を定量化できる評価ツール「Ai GROW」です。生徒の資質・能力を多角的に可視化することの重要性はもともと学内でも議論されており、それまでは他社のツールを活用していました。しかし、本来、生徒にはそれぞれ強みも弱みもあるはずですが、以前活用していたツールでは課題は把握できても、強みが示されることはなく、一人ひとりの強みがしっかりと可視化される「Ai GROW」に大きな魅力を感じました。 また、友人から評価により、自分でいていない自身の強みを知ることができるは、生徒にとってとても大きな意味があります。

 

本校では年内入試(総合型選抜と学校推薦型選抜入試)で進路が決まる生徒が多く、最近ではその割合が8割程度にまで高まっています。従来の学力にとどまらないさまざまな資質・能力が重視されるこれらの入試に向けては、志望理由書などで自己アピールする生徒本人も、推薦書を書くわれわれ教員も強みを十分に理解しておく必要がありますが、生徒はまず、自身の強みや成長を表現する能力の種類をあまり知りません。「Ai GROW」を活用することで、生徒は早期から自らの強みや成長を言語化できるようになり、教員も一人ひとりの強みを校内で共有したうえで推薦書を書くことができるようになります。探究による資質・能力の成長の可視化を目的に導入した「Ai GROW」ですが、キャリア教育でも大いに活用できることが分かりました。

 

自らに対する理解を深められる「Ai GROW」と有効なさまざまなフレームワークを習得できる「GROW Academy」を「確かな学力」の養成と「豊かな人間教育」の両軸で教育をアップデートしていくためのツールとしてこれからも活用していきたいです。

 

 

リンク:
山梨英和中学校・高等学校
https://www.yamanashi-eiwa.ac.jp/jsh/