地域課題からグローバル視点へ
長崎県立口加高等学校 冨永紘平先生
この記事から分かること
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地域課題を起点とし、グローバルな視点を育むコース別の探究内容
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探究型学習で生徒の主体性や地域への貢献意識を育む方法
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外部との連携による探究の深化とそれを支える先生の役割
本校の概要と特色ある学科構成
本校は、長崎県南部の島原半島に位置し、創立122周年を迎える歴史ある学校です。生徒数は約240名で、普通科（普通コース、グローカルコース、生活創造コース）と福祉科を設置しています。これらの特色ある各学科やコースでは、地域性を生かし、多様な進路に応じた探究型学習を実践しています。
普通科の探究型学習：地域課題を起点とした段階的な学び
１年次：地域をテーマにしたグループ探究
普通科・普通コースおよび福祉科では、１年次に「ふるさと教育」をテーマにしたグループ探究を行います。地域自治体からの助言を受け、生徒たちは地元の課題や魅力を掘り下げる活動に取り組みます。この探究活動を通して主体性や行動力を育むとともに、地元への愛着や誇りを醸成。身近なテーマは探究学習の導入としても適しています。
２年次：個人探究で多様なテーマに挑む
２年次では、生徒個々の興味関心に基づき、個人探究を行います。進路に応じてテーマは多岐にわたり、それぞれの目標に沿った研究を展開します。地域内だけでは先行研究を学べない場合もあるため、ICTを活用したリモートフィールドワークも試行中です。外部コンテストへも積極的に参加していきたいと考えています。
グローカルコースの探究型学習：地域と世界を結ぶ学び
１年次：地域課題をグローバルな視点から考察
普通科・グローカルコースでは、モットーである「Think Globally, Act Locally」に基づき、１年次には地域課題をグローバルな視点から考察。広い視野を持つことを意識させるプログラムが特徴です。普通科の探究活動に加え、グローバルなコミュニケーション能力や表現力を育むことを目指しています。
２年次：異学年の縦割編成で実践的な研究に挑戦
２年次では、学年を超えた縦割型の探究が行われます。これは１・２年生が協働して研究テーマに取り組む仕組みで、長期間にわたる実践的な探究を実践します。
外部団体との共同研究も盛んで、これまでに潮流発電の開発、ユニバーサルビーチの研究、遠隔操作ロボットの活用など多彩なテーマで成果をあげています。
探究型学習を支える外部連携
普通科・グローカルコースのいずれにおいても、本校の探究学習の特徴は、地域や外部団体との連携です。地域の自治体や企業、大学などと協力し、生徒が教師以外の大人と関わる機会を増やすことで、探究活動がより活性化します。そのために必要なのは、まず、教員自身が外部と積極的に関わり、ネットワークを広げることです。
▲外部の研究施設や企業等を訪問するフィールドワークの様子
おわりに
本校では、地域を起点とした段階的な探究型学習を実践し、グローバルな視点を取り入れた多様なプログラムを展開しています。実践的な学びの機会を提供する本校の事例が、他校の探究学習において新たな視点やヒントとなれば幸いです。
最後に、今回の寄稿のご縁をくださった宮崎県立宮崎東高等学校の西山正三先生に心より感謝申し上げます。西山先生には、昨年の本校探究発表会での講評およびパネルディスカッションのファシリテーターを務めていただきました。この場を借りて、深く御礼申し上げます。
