互いの強みを理解する振り返りがロールモデルを生み「自ら学ぶ力」を高める
本校は、東京都日野市にある公立中学校です。「一人ひとりを尊重し、真理と平和を求める社会の形成者として、 世界に開かれた人間を育成する」ことを教育目標に、生徒が自主的に取り組める場面を多く提供できるよう、さまざまなプログラムを「体・徳・知」の観点から計画し、取り組んでいます。
「Ai GROW」はインターネットの記事で見かけ、「自分も気付かない強みやさまざまな学びによる成長を把握できるのではないか」と興味をもちました。これを機に、まずはバスケットボール部、ハンドボール部、野球部で試験的に導入。部活に一生懸命取り組み、目標達成に向け努力する生徒たちを見ていて、身体能力や競技のスキル以外の資質・能力も大きく伸びていることや、それらは部活だけでなく社会で生きる上で大きな糧となることは感じていましたが、それが何なのか言語化することができていませんでした。「Ai GROW」なら、これらの資質・能力を把握し、その成長を明らかにすることができるのではないかと思ったのです。身体能力以外の自分の強みを確認することで、自己肯定感が高まった生徒たちを見て、翌年度からの全校導入を決めました。
生徒たちの受検結果に加え、私たち教員が試験的に「Ai GROW」を受検させていただいた結果を見てみると、強みや課題など、感覚的に何となく把握していたことがスコアで明確に可視化されることに驚きました。また、受検を複数回重ねることで、生徒のコンピテンシーの成長が実感値と合う場面が増加。「Ai GROW」によって生徒のコンピテンシーの成長を見取る、私たち教員の力が高まってきていると感じています。
一方、生徒自身が自らの強みを実感し、さらなる成長へとつなげるためには、「Ai GROW」受検後の振り返りが重要です。本校では、「Ai GROW」管理画面からダウンロードできる活用補助ツールの一つ「振り返りシート」を活用しています。
▲自己成長の促進につながる振り返りシート
GIGAスクール構想で生徒一人ひとりにChromebookが配布されている本校では、記入した「Ai GROW」振り返りシートを学校全体の共有ドライブにアップし、誰もが全員のシートを確認できる状態にしています。コンピテンシーが高そうな友人や、最近成長したなと思う友人がいれば、その友人の振り返りシートを閲覧することで、その友人の強みや考えを具体的に知ることができます。クラスメートをロールモデルとして自ら学ぶことを後押しするこの取り組みは、生徒にはさらなる学びと成長を、教員には振り返りにおける負担軽減を、学校には一人一台端末の有効活用という効果をもたらしています。
実際、生徒は「Ai GROW」をどう捉えているのかを把握するため、一部の生徒を対象にアンケートも取りました。「自分のコンピテンシーを知ることができた」「これから伸ばしたいコンピテンシーについて考えることができた」と好意的に受け止めている生徒がほとんどで、「色々な人から見た自分の姿を知ることができて良かった」「これからも自分の良いところをどんどん伸ばしていきたい」とコメントを書いてくれた生徒もいました。自己肯定感やメタ認知能力の向上にもつながっているようで、嬉しく思っています。
その他、保護者にも学校で発揮されているお子さんの強みやその成長をシェアできるよう、三者面談でも「Ai GROW」の個人レポートを活用。終業式には通知表と一緒に「Ai GROW」の個人レポートを保護者に渡しています。生徒の成長の評価や記録だけでなく、保護者と学校で生徒の強みと多面的な成長に関する共通理解を深めるツールとして「Ai GROW」はなくてはならないものになっています。
中学校の3年間は、「1年目:自己を知る」「2年目:自己を知った上でしっかり考える」「3年目:自己を知り考えた上で進む道を選ぶ」大切な時期です。掛け替えのない3年間がより充実した時間となるよう、今以上に「Ai GROW」を活用しながら生徒たち一人ひとりに向き合っていきたいと思っています。
リンク:
日野市立日野第一中学校
https://www.hino-tky.ed.jp/j-hino1/