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【活用事例】資質・能力の可視化が支える探究的な学びと総合型選抜入試の準備(東明館中学校・高等学校)

東明館中学校・高等学校

【活用事例】資質・能力の可視化が支える探究的な学びと総合型選抜入試の準備

資質・能力の可視化が支える探究的学びと総合型選抜入試準備

 

本校は佐賀県にある私立の中高一貫校です。少子高齢化、グローバル化、AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化など大きな変化の中を生きていく生徒たちには「多様な他者と協働して正解のない課題に立ち向かう力」が求められるようになるという考えの下、課題解決型学習(PBL)を中心に据え、外部との連携を組み込んだ「探究コース」を2020年月に開設しましたそしてこの春、本コース初めての卒業生となる1期生たちがそれぞれの道へと旅立ちます。総合型選抜入試にも複数の生徒が挑戦し、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)合格を勝ち取った生徒もいます。

私たちにとっても初めての挑戦であった1年目。共通点は「テストのために勉強するということに違和感を持っている」ということのみで、それ以外はタイプも考え方も異なる生徒たちが集まった中、お互いの持つ情報や考えを出し合い組み合わせながら正解のない問いに立ち向かうことは容易ではありませんでした。生徒同士がお互いを理解し受け入れるのに時間がかかったり、支援の際に生徒の意外な特性に気付くことも。幸い、信頼関係がうまく築けつつあったので修正しながら進められましたが、今振り返れば、初年度から「Ai GROW」を導入できていればと思う場面が多くありました。

2年目からは「Ai GROW」を導入。本コースの生徒たちを1年間見てきた経験に客観的データが加わることで、れまで以上に自信を持って支援できるようになりました。例えば、失敗を嫌う傾向にあると感じていた生徒がいたのですが、「Ai GROW」の気質診断でもその傾向を示唆する結果が得られたのです。その生徒は、「Ai GROW」個人レポートに記載されていたアドバイスを参考に小さことから成功体験を積んでいくことで少しずつチャレンジ精神を発揮できるようになりました。

また、他の生徒も自分の特性について理解を深め、伸ばしたいことや苦手なことを自ら言語化できるようになりました。「自分は感情コントロールが少し苦手だから、もし気になることがあったら言ってほしい」といったように、自身の特性を互いに伝え合い、相互理解を深めながらフォローし合っているようです。さらに、互い特性を早期から把握することによって相手を受け入れやすくもなったようで、1年目に比べて大きなプロジェクトでも達成できるようになり、成果物のレベルも格段に向上しました。

3年目は、卒業後の進路について具体的に考えていく必要があります。本人が希望す大学進学だけではなく就職や起業も同じように応援していますが、大学進学については、近年拡大しつつある総合型選抜入試での受験を希望する生徒も多くいます。総合型選抜で自分の強みや可能性をアピールするためには、早期から自分の能力について深く考え、言語化する経験を積んでおく必要がありますが、「Ai GROW」を活用し、自身の能力と早くから向き合ってきた本コースの生徒たちにはその基盤がしっかりとできていました

また、アピール力を高めるため、自ら書いた人生曲線とそれまでの「Ai GROW」の受検結果データを突き合わせ、目標設定や能力向上のきっかけを振り返った上で志望理由書作成に取り組みました。中には、「Ai GROW」の受検結果を基に自身の成長をまとめた資料を作成し、大学に提出した生徒もいました。日々の積み重ねと「Ai GROW」によって生徒の自己理解が向上したことで、総合型選抜入試に向けても教員があらゆる分析を行う必要がなくなっただけでなく各生徒の特性に合わせた面接練習や志望者評価書作成をスムーズに行うことできました。

本コースにさまざまな効果をもたらしてくれている「Ai GROW」ですが、全体を通して感じるのは、生徒たちの自己肯定感向上に役立っているということです。コンピテンシーの成長がデータで示されることで自信が付き成長に向けたさまざまな努力がしっかりと評価されることで、アクセルをさらに踏めるようになっていると感じます。三者面談でも、保護者と担任を前に自分の進みたい道を自信を持ってしっかりとアピールしている姿が多く見られました。

新設コースとして、練りに練ってコース内容を準備したものの、実際に生徒たちが本コースから何を受け取りどう成長するのかという点は未知数でした。しかし、今回1期生たちが「Ai GROW」に支えられながら自身の能力と課題と向き合い、「他者と協働して正解のない課題に立ち向かう力」の素地を身に付け、自己肯定感を高めながらそれぞれの目標を見出すことができたこと、そして、難関大学を含む希望進路先から認められたということを、非常に嬉しく思っています。また、今後の生徒募集に当たっても、今回の実績と本コースの学びを支える「Ai GROW」の存在は大きな説得力になると考えています。今後は、多面的評価にも「Ai GROW」を取り入れながら、さらに充実したコース運営多くの生徒の正解のない課題に立ち向かう力の育成につなげていきたいと思っています。

 

リンク:
東明館中学校・高等学校 探究コース
http://www.tomeikan.ed.jp/quest-course