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【活用事例】】社会で求められる視点と協働する力を育む自走型プログラム

鹿児島育英館中学・高等学校

【活用事例】社会で求められる視点と協働する力を育む”自走型”探究プログラム

社会で求められる視点と協働する力を育む”自走型”探究プログラム

 

本校は、鹿児島県日置市にある私立中高一貫教育校です。「育英館」という校名には、「世の中をより良く変えたい」という理想を強くもつ「英才」を育てたいという思いが込められています。英語力とグローカルな視点の育成、そして心の教育を重視し、緑豊かな環境の中で生徒一人ひとりが自分の学びに出会えるようサポートしています。

 

私の担当教科は英語ですが、現在、高校1年生の普通科コースの探究学習も担当しています。以前、中学3年生の生徒たちを対象に、道の駅の活性化をテーマにした取り組みを指導した経験はありましたが、高校ではアイデアだけではなくてロジックも重視した活動に取り組んでもらいたいと考えていました。そのうえで、将来を見据えながら仕事やビジネスについて体験し、実社会で求められる視点を学べるような良いプログラムはないかと探していたときに知ったのが、IGS社の「社会実装シミュレーション型プログラム」でした。

 

私には起業やビジネスについての専門知識や指導経験がまったくなかったため不安もありましたが、このプログラムは教師が介入することなく、動画やワークシートなどの流れに沿って生徒が自主的に探究を進めていくことができます。また、学習プログラムだけでなく、評価までもセットになっているので、特別な準備もファシリテーションの必要もなく、生徒が思考するきっかけとなる疑問を投げ掛けたり対話相手となったり、さらには生徒が疑問をもったときには社会科などの担当の先生へ一緒に質問に行くなど、グループ学習を後押ししながら生徒の学びを深めるサポートに重きを置くことができました。

 

プログラムでは、グループで作り上げた事業プランの評価が企業価値として具体的な金額で表示されますが、こうしたゲームのような要素も生徒のモチベーションにつながっているようです。他のグループと企業価値に差が付く理由を分析し、企業価値をどうすれば上げられるかグループで考えている姿が見られました。

 

▲グループでプログラムに取り組む生徒たちの様子

 

本校では、2年生になるとそれぞれがテーマと向き合う個人探究にステップアップします。その前に、この「社会実装シミュレーション型プログラム」でクラスメートや周囲と協力し合うことの重要性を経験できたことはとても大きかったと考えています。さらに、PEST分析などプログラム内のフレームワークを学べる動画で得た視点や考え方も、今後の探究活動を支える大きな力となったはずです。直接指導することが難しい探究に欠かせない視点や有用な分析方法も、負担なく学ばせることができたのでとても助かりました。

 

「社会実装シミュレーション型プログラム」には、360度評価により生徒のさまざまな資質・能力を可視化する評価ツール「Ai GROW」も含まれています。本校では、「Ai GROW」によって得られたデータを、生徒の特性やプログラムの教育効果の把握に活用しています。また、「Ai GROW」には、育成目的に応じた最適なグルーピングを提案してくれる機能も実装されています。このグルーピング機能で提案されたグループはバランスが良く、日頃の活動であまり意見を言うタイプではない生徒も積極的に活動する姿が見られるなど、本校の探究活動にフィットしていると感じます。今では、探究だけでなく、行事などでの活動の際にもこのグルーピング提案機能を活用しています。

 

2月には、保護者にも本プログラムの成果である地域活性のための事業プランの発表をオンラインで聞いていただく予定です。これら一連の探究活動によるコンピテンシーの成長が数値にどのように表れるのか、発表会後に実施予定の「Ai GROW」の受検結果も楽しみです。

 

本校は今年度、この「社会実装シミュレーション型プログラム」は週に1回、継続的に取り組んできましたが、夏休み期間などに集中して取り組ませる課題としても最適だと感じました。社会で求められる視点と協働する力を育み、学びを深めるツールとして、これからも活用していけたらと考えています。

 

リンク:
鹿児島育英館中学・高等学校
https://ikueikan.ed.jp/