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2022.03.16

【活用事例】“豊かな人生を切り開く”生徒の育成を手助け(兵庫県立猪名川高等学校)

活用事例 探究 各教育活動の効果検証 育てたい生徒像の可視化

特設科目と コンピテンシー向上の関係を探る (5)

 

 

“豊かな人生を切り開く”生徒の育成を手助け

 

「Ai GROW」の導入を決めた理由は、生徒自身の強みを数値化することで、探究の目標である「自らの人生を切り開く」ことへの一助とするためです。

本校生徒の特徴として、「自己肯定感」「自己有用感」が低いということが挙げられます。そのため、自らの「強み」を言葉にすることに抵抗があり、進路希望についてもうまく表現することができませんでした。そのため、生徒自身の言葉ではなく、相互評価による「Ai GROW」での評価を基に、自己を肯定的に捉え、より豊かな人生を切り開くきっかけになればと効果を期待したのです。

「Ai GROW」は、自己を肯定的に捉えるツールとしてだけでなく、生徒の特性把握、探究の設計・評価・効果検証、各教育活動の効果検証にも役立てています。3年生は「自己の学びを他者に伝えること」「並びに他者の考えから自己の学びを深めること」を目的に探究活動を行い、年度当初と年度途中に「Ai GROW」の受検を行い、自らの学びの深まりを把握させました。また、他者との関係の中で自らの強みがどう生かされたかを理解させることで、自己有用感を高めることも目的としていたので、論理的思考、創造性、耐性、表現力、柔軟性の成長も期待しました。

探究において自らの進路を具体的に考え、進路実現に向けた面接練習や小論文作成を通して、他者と関わりながら学習を進めたことで、特に表現力が向上しました。他者との協働の中でどのように表現すればうまく伝わるのかを考え、他者の表現方法から自らの表現方法を見つめる機会を重ねられたことの効果だと思います。

学校・教員だけで定量化することが難しいコンピテンシーを、生徒同士の相互評価から客観的に把握することで、新たな学習活動のPDCAサイクルを構築することができると感じています。また、生徒は「Ai GROW」を通じて、他者からの評価や客観的なデータから自己肯定感を高められているようです。

今後も、行事やクラス活動の効果測定だけでなく、日々の生活すべてが学びへとつながり、生徒がより豊かな人生を切り開くための効果的なツールとして「Ai GROW」を活用していきたいです。その中で、生徒には自己肯定感を生かして、さまざまなことに好奇心を持ち、世界を広げられる人材に育っていくことを期待しています。