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【探究への道 第60回】寺澤寿輝也先生(新潟県立塩沢商工高等学校)

探究への道バナー

「本物」との出会いが灯すプロの誇り。地域インフラを見つめ、未来を切り拓く探究 

【レタッチ後】寺澤寿輝也先生
地域創造工学科 進路指導部
寺澤寿輝也先生




課題を自分ごととし、地域で活躍できる人材へ 

本校の地域創造工学科地域デザインコース(土木系)では、「地域から必要とされ、地域で活躍できる人材」の育成を目指しています。本校のある新潟県南魚沼市は豪雪・人口減少・インフラの老朽化など、地方が抱える課題が凝縮された地域です。生徒には、こうした地域課題を自分ごととして捉え、土木の専門知識を使って解決に向けて動ける力を身につけてほしいと考えています。探究活動には、ICT施工を牽引する地域企業から日本を代表する大手企業まで関わっていただいており、「変わりゆく建設業の最前線」を肌で感じながら学べる環境があります。全校生徒数が少ない学校だからこそ、一人ひとりが地域に顔の見える存在として育つことが、本校の目指す姿です。

 



土木の魅力を「知る」から「体感する」へ 

もっともこだわっているのは「本物の人・技術と出会う場を設計すること」です。文化祭には企業12社・大学2校にブース出展いただき、生徒が最新技術や実務の最前線に直接触れる機会を設けています。また、中学生向け体験入学にも企業1社・大学1校に参加いただき、本校の卒業後の具体的なキャリアビジョンを早い段階から描けるよう促しています。土木の魅力を「知る」だけでなく「体感する」場の積み重ねが、生徒の探究を深める原動力になっています。

 



「教える」側への転換が育む、担い手としての自負 

生徒の変化をもっとも実感するのは、生徒が「地域を語れるようになる」瞬間です。入学当初、多くの生徒は南魚沼を「何もないところ」と表現します。しかし、探究活動を通して地域のインフラを調べ、現場に足を運ぶうちに、「これが自分たちの地域を支えているんだ」という実感が芽生えていきます。

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▲南魚沼建設業協会の協力の下で行われた仮設道路実習の様子

探究活動の一環として地域への発信も大切にしています。まず文化祭では「土木塾」という企画で速乾セメントを使ったコンクリートのメダル製作を小学生向けに実施しています。この活動の一番の目的は小学生に「土木っておもしろい!」と感じてもらうことです。将来の担い手を育てるには、まず興味をもってもらうことから始まると考えています。生徒が「教わる側」から「教える側」へ転換する経験が、専門知識への自信と土木という仕事への誇りを育てています。

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▲「土木塾」の企画で生徒がコンクリートのメダル制作を行う様子

また、地域のイベントにも積極的に出向いてワークショップを開催し、子どもたちに土木の魅力を発信する場を広げています。こうした活動を重ねるなかで「建設業って思っていたよりおもしろい」「地元で働くイメージがわいた」という声も増えました。進路においても地元の建設会社や行政機関を志望する生徒も着実に増えており、探究活動が将来のビジョン形成に直結していることを実感しています。

 



「地域のリアル」が引き出す、生徒が学ぶ意味 

「地域の課題は最高の教材、地域の大人は最高の教師」です。企業・大学・地域のイベントを授業に巻き込むことで、生徒は「なぜ学ぶのか」を自分で見つけていきます。難しく考えなくていい。まず1社、1人の外部の人間を授業に呼んでみてください。それだけで生徒の目が変わります。

 

新潟県立塩沢商工高等学校
https://shiozawasyoko-h.nein.ed.jp/

※内容はすべて2026年8月現在の情報です。