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2023.02.01

【活用事例】コンピテンシーの変容の多面的な振り返りが自己成長を促進(関西大学第一中学校・高等学校)

活用事例 中高一貫教育校 成長の把握

関西大学第一中学校・高等学校

 

 

コンピテンシーの変容の多面的な振り返りが自己成長を促進

 

本校は、大阪府吹田市にある私立の中高一貫教育校です。関西大学の併設校であるメリットを最大限に生かし、勉強・部活動・課外活動などへの取り組みを通して生徒一人ひとりの能力を引き出す教育を目標としています。

私自身、学生だった頃から主に偏差値や成績だけで自分という人間が評価されることに疑問を感じていましたが、社会に出て、仕事を遂行していくためには学力やスキルだけではない、さまざまな能力が求められることを実感し、その思いはさらに強くなりました。

そんな中、校内で「総合的な学習の時間」を担当することになり、グループでのビジネス企画を通して自らの「能力(コンピテンシー)」を意識し、グループへの貢献方法を考えるというプログラムを実践してみたところ、生徒たちの反応が想像以上に良かったのです。教科のテスト結果だけではなく、自分の価値や成長を多面的に見てもらえる評価基準を生徒たちも求めていたのだと感じました。

生徒のほとんどが関西大学に進学する本校では、独自プログラムにも比較的多くの時間を費やすことができる半面、成長に向けたモチベーションをどう作り維持していけばよいのかという課題もありました。夢や目標、努力といったような話に終始するのではなく、生徒たちが社会で求められるさまざまな能力の種類とその大切さを理解し、その成長を意識できるようになる上で最適なコンテンツやツールを探していたときに「Ai GROW」と出会いました。

導入1年目は計測するコンピテンシーを学校で決めて受検。評価を行うことでコンピテンシーについて理解を深められ、学力以外の能力への興味や関心、モチベーションが少しずつ高まっている様子がうかがえました。

2年目に入るに当たり、コンピテンシーへの興味・関心をさらに高めることを目的に生徒アンケートを実施。「Ai GROW」で計測したいコンピテンシーを回答してもらいました。受検はアンケートの結果を基に作ったグループに分かれて実施しましたが、自ら希望したコンピテンシーが計測できることで関心も高まったのか、導入1年目に比べて 受検がスムーズに進みました。また、アンケートの結果からお互いに関心の高いコンピテンシーを知ることもできたことから、コンピテンシーへの興味がさらに高まったようです。初年度は自己評価のみだった学年も含め2年目は学校全体で相互評価まで実施でき、自分と他者からの評価の乖離を知ることも生徒にとっては良い経験になったと思います。

生徒たちには、「Ai GROW」の受検結果を絶対的なものとしてではなく評価の一つの指標として捉え、自分の感覚と照らし合わせながら確認するよう話をしています。1回の受検結果に一喜一憂するのではなく、「どうしてそのような結果が出たのか」と受検結果とともにそれまでの経験や活動を振り返り、翌日からの学びや成長につなげていくことが重要です。

成長のためには、直接指導やフィードバックを受けるだけでなく、「どうしたら能力を伸ばすことができるのか」「どんな経験や活動に参加し、そこでどう意識や工夫をするとどんな能力の成長につながるのか」を少しずつ掘り下げて考えられるようにしなければなりません。「Ai GROW」にはこうした振り返りの精度を高める有効なツールではないでしょうか。本校の生徒たちも、「能力を伸ばすにはどのような行動が必要か」ということを道標とすることで、日々の学校生活、特に自分が苦手としていることに取り組む際にどうすべきかを考えられるようになってきているようです。以前なら「成果が出ないなら努力しても意味がない」と結論付けてしまっていたような場面でも、「成果を目指した取り組みの中で能力が伸びることに意味がある」と考え、日々の課題に取り組めるようになってきていると感じます。「Ai GROW」によって振り返りの精度を上げながら自身を成長させるための目的意識を主体的に持ち、成長につながる活動に積極的に自ら取り組む生徒がどんどん増えていくことを期待しています。

「Ai GROW」は、生徒の成長を応援したい先生と、成長したいと願う生徒の間をつなぐメディアのような役割を果たしてくれています。これからも生徒がコンピテンシーをポジティブに捉えられる環境を大切にしながら、さまざまな工夫をしていきたいと思っています。学校や学年主導ではなく、生徒自身の成長を確認するために目的や、タイミングを自ら決めて受検を希望する将来的に、このようなシーンを目にするくらいにコンピテンシー「Ai GROW」が生徒にとって身近で、自身の成長を考えるうえで切っても切り離せない存在にる日がくると理想的ですね。

 

リンク:
関西大学第一中学校・高等学校
https://www.kansai-u.ac.jp/dai-ichi/high/