トップへ
content.name

2022.05.23

【活用事例】総合型選抜入試 指導負担の軽減に期待(東京都・多摩大学目黒中学校・高等学校)

活用事例 進路指導 業務改善 総合型選抜入試

教育目標に掲げる 「育てたい9つの力」 を定量化 (3)

 

 

総合型選抜入試 指導負担の軽減に期待

 

「Ai GROW」の導入を決めた理由は、偏差値以外の新たな評価の観点を持つためです。受検結果はリアルタイムで確認できることから日頃の生徒指導にも活用しやすいですし、指導要録などに記載できる所見が提案される機能によって業務の負担軽減にもつながることから、学年団の先生方も導入にはすぐに賛同してくれました。 

 実際に「Ai GROW」を使用してみて、受検時の負担が教員・生徒ともに小さいことも魅力を感じました。最初に生徒情報などを登録してしまえば、受検の設定や進捗管理は、管理画面から容易に行うことができるので、学年団の先生方に負担を掛けずに済んだ点はすごく良かったと思います。生徒も以前使用していたマークシートで回答するタイプよりもiPad(本校は生徒全員iPad所有)の方が受検時間が短くすみます。

 特に高校3年生にとっては、総合型選抜の対策にとても有用でした。生徒が志望理由書を作成する際の悩みとして、「やりたいことがない」「自分の強みが分からない」「志望理由を論理的に書けない」などが挙げられるかと思いますが、この状態から添削するにはかなりの労力が必要です。例えば、論理的に思考することが苦手な生徒の場合、面接の練習を行うときに、結論の根拠を「なんで?」「どうして?」と問うと、論理的な理由付けができなかったり、われわれを納得させるだけの根拠を説明したりすることができないことがあります。「Ai GROW」の受検結果(特に所見提案の機能や、自己評価と相互評価の乖離が分かるグラフ)を参考に、それらの結果につながる具体的なエピソードを紐づけることで、指導のヒントになることが多いです。

 総合型選抜入試が始まる前の5月に「Ai GROW」の受検を行い、生徒に自身の強みを客観的に把握させる機会を設けられたこと、受検結果を振り返りながら志望理由書を書かせることができたことは良かったと思う一方、高校3年生になってから始めるのではなく、もっと早い段階から「Ai GROW」を受検させ、その振り返りを定期的に行ってくれば良かったと思いました。

 「Ai GROW」を1年間使用した振り返りを行うに当たって、「Ai GROW」の相互評価がもたらす効果も感じました。相互評価の仕組みが生み出す二次的な効果として、生徒に自身の強みだけでなく、一緒に学ぶ友人の強みをも意識した行動を促すことができていると感じたのです。

観点別評価が始まり、ペーパーテスト以外にレポートや発表、生徒のディスカッションやグループワークの評価をどう工夫するか求められる中、評価に関わる多様なデータの取得とその利活用が大きなポイントになると思っています。そうした中、タイムラグによってデータの価値が減退してしまうことや、データは蓄積するだけでなく転用したり組み合わせたりすることで価値が高まることを実感することができたことは学年団にとどまらず本校全体にとってとても良かったです。