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【活用事例】客観的なデータを基に未来を生きる力を育む

作成者: Ai GROW 運営事務局|Apr 15, 2025 7:47:45 AM

 

客観的なデータを基に未来を生きる力を育む

敬愛小学校

 

「豊かな人間性」を育み、力を伸ばすための挑戦

本校は、「教育が未来を創る」という理念の下、時代の変化に対応できる子どもたちの育成を目指しています。その中で、心の教育や世界基準の英語力、情報社会で活躍する力とともに、課題を解決する力の育成にも取り組んでおり、子どもたちが主体的に学べる環境と学ぶ過程を重視した授業を展開しています。

北九州市内の留学生を招待して,一緒に給食を食べながら昼休みを過ごす
「WORLD Lunch」の様子。
積極的に英語を活用してコミュニケーションをとっています。

 

古くから根性論が好まれていた日本のスポーツにおいてもデータ活用の重要性が叫ばれるようになりました。日本人アスリートが世界の舞台でこれほどまでに活躍できるようになった背景にはデータの活用とその精度の向上があることは間違いありません。世界で活躍する人材を育成するためには教育においてもデータ活用、エビデンスに基づいた実践・改善が不可欠なはずです。特に教科担任制を導入している本校では、高学年になると大半の教科を専門の教員が担当することになるため、各教員の経験や主観だけに頼るのではなく、子どもたちのさまざまな資質・能力の成長を定量的に把握しながら校内で共有する環境の必要性を感じていました。複数のツールを比較検討しましたが、25のコンピテンシーから本校が育みたい力を選んで計測できること、相互評価により客観的な評価を実現できること、データの確認や分析も管理画面から簡単にできることなどが決め手となり、「Ai GROW」を導入しました。

 

現在は各学期の終わりに「Ai GROW」の受検を実施し、日頃の学校生活、そして運動会や子どもたちのアイデアを創造・表現するための「KEIAI EXPO」などの学校行事による個人・集団・学校全体の変容を確認しています。

 

一人ひとりの「良さ」を見つけ、褒めて伸ばす

本校がもっとも大切にしているのは、子ども一人ひとりの「良さ」や「得意なこと」をどんどん褒めて伸ばすことです。そうすることで、子どもたちは自ら「次はここを伸ばしたい!」「そのために何をすればよいのだろう?」と前向きに考え、行動につなげていけるようになります。「Ai GROW」を導入してからは、子どもたち一人ひとりの「良さ」や「得意なこと」について、教員が主観だけではなく客観的な裏付けを基に自信をもって声掛けできるようになったと感じています。

 

コンピテンシーを意識した授業の実践

また、「Ai GROW」を導入以降、授業でもコンピテンシーを具体的に意識するようになりました。例えば、「個人的実行力」の高い子どもにはあえて応用問題を与えてチャレンジさせる。そうするとその子どもは今までの知識を総動員しながら粘り強く教科の学習に取り組むようになります。そんな姿は、周囲の子どもたちにとっても大きな刺激となります。この1年間、ただ教え込むのではなく、このように個人の強みやコンピテンシーの成長に合わせた学びの環境作りを意識しながら授業を行ってみたところ、私の担当教科の算数の学力もこれまでより明らかに伸びたことを実感しています。

 

変わり始めた面談と職員室の風景

また、学期末の保護者との面談では、「Ai GROW」の個人レポートを活用しながら「『共感・傾聴力』が伸びていますね。授業の中での話し合いでも、主張が苦手なクラスメートの意見をうまく引き出していたんですよ」など、客観的なデータと教員が見取った子どもの強みや成長に寄与した具体的なエピソードを結び付けながら保護者にお伝えすることができるようになりました。面談の内容もこれまで以上に具体的で充実したものとなり、保護者にもより安心していただけるようになったのではないかと感じています。

さらに、「Ai GROW」を導入してからは職員室の風景にも変化がありました。これまでも担任と教科担当の間の情報共有は密にするよう心掛けてきましたが、現在は「Ai GROW」の個人レポートを基に、強みや伸ばしやすいコンピテンシーなどを踏まえ、児童一人ひとりにとって最適な環境を作るための議論を熱心に行う姿が職員室のあちこちで見られるようになりました。

 

小学校は人生の土台をつくる特別な時期

私は系列の中学校や高等学校を含め幅広い年代の子どもたちに関わってきました。その中で、小学校はさまざまな経験を通して基礎力を大きく伸ばすことができ、その後の専門的な学びの土台となる特に重要な時期だと考えています。失敗を怖がらずに挑戦できる、上級生や自分にない強みをもつ同級生に憧れて、他者のアドバイスを素直に聞き入れチャレンジできるこの時期に、コンピテンシーを知り、高め、そしてその過程で自分を深く知ることのできる「Ai GROW」は本校の教育に不可欠な存在となるはずです。子どもたちには自分の長所や課題を理解したうえで中学や高校に進学し、そこでの学びの可能性を大きく広げてほしいと願っています。