従来のテストでは測れない生徒の成長を保護者にも共有
「Ai GROW」の導入を決めた理由は、生徒がどのような能力や特性を持っているのかを主観だけに頼ることなく客観的に把握するためです。また、「Ai GROW」の生徒向け個人レポートには、社会で活躍している方々に共通して高い能力が業界・業種別に記載されているため、社会ではどのような能力が求められているのかを把握したうえで進路指導ができること、また、その情報を基に生徒も自身の進路をより主体的に選択できるようになることにも期待しました。
「Ai GROW」では、一緒に学ぶ周囲の友人からの相互評価によって自身の資質・能力を把握することができるため、生徒は自分が思っている自分の姿や能力と他者からの相互評価によって明らかになる自分の姿や能力との相違点を知ることができ、新たな強みや魅力の発見にもつながります。
また、われわれ教員も「Ai GROW」のデータを基に教員同士でコミュニケーションを重ねることによって、生徒の成長につながるポイントを明確にすることができ、生徒の強みや成長に関する新たな気付きが得られるという効果があります。
本校では「Ai GROW」を、生徒の特性把握やクラス・マネジメント、進路指導、調査書・指導要録の作成などに活用していますが、保護者との面談や三者面談の際にも「Ai GROW」の受検結果が役立っています。
例えば、自己評価が低く相互評価の方が高い生徒とその保護者との三者面談の際、生徒に対して「もっと自信を持ってごらん」と話したところ、保護者から「よく見てくださっているのですね」と嬉しい言葉をいただくことができました。また、普段から生徒と一緒に生活している保護者が個人レポートなどの診断結果を見て「本当によく当たっています」という声を数多くいただきました。
定期試験の結果や成績表では表せないさまざまな資質・能力の成長を保護者に伝えられるようになったのも「Ai GROW」の大きな導入効果の一つです。また、「Ai GROW」の受検データを基に、生徒の日々の様子をより具体的に、また、定量的に話せることができるようになったことは、われわれ教員にとって大きなメリットだと思います。これにより、面談後、家庭での声掛けが変わり生徒の成長につながった事例もありました。「Ai GROW」は生徒の成長を促すだけではなく、われわれ教員の面談の事前準備の負担軽減と質の向上にもつながっています。
「Ai GROW」で特に定量化したかったコンピテンシーは、課題設定、疑う力、個人的実行力、耐性、決断力、共感・傾聴力、影響力の行使です。
なぜならば、1年生では自分自身の状態と周囲からの見られ方を知ること、2年生では進路選択時に自分が目指す業界で必要とされている能力と周囲からの評価との乖離を知ることによって、「自分は今、どの能力を伸ばせばよいのか」を明確にする必要性を知るためです。これらは面談などで保護者にもお伝えすることができました。
これからも「Ai GROW」で、生徒やクラスの多面的な成長を数値で知るとともに、生徒同士が普段からお互いをどのような印象で見ているかを話し合うことで、「仲間とともに成長しよう」とする意識を持てる人材に育てていきたいと思います。