吉山直登先生
この記事から分かること
生徒の「やってみたい」を実現するために
本校は全国各地にキャンパスを持つ広域通信制高校です。新潟キャンパスは新潟駅からも近く、市の中心地にあります。
「1/1の教育」を教育理念として掲げ、生徒たち一人ひとりの個性を大切に教育活動を行っています。
生徒には高校卒業後、自分らしく生き生きと人生を歩んでほしいと願っています。そのためには高校生活の中で「今よりも自分のことを好きになる」ことが何よりも大切です。
自らの「やってみたい!」を火種にアクションすることでさまざまな変化を得て、自己成長を楽しむ。探究活動は自分の長所を見つけたり、自己効力感を得たりすることに直結する学習手法だと考えています。また、探究を通じて自信をもって進路を選択し、卒業後も主体的に学べる人材を育みたいと考えています。
そのため、探究活動を行うに当たっては、責任ある意思決定を行う能力や対人関係や社会性に関わる非認知能力を育むためのアプローチであるSEL(Social Emotional Learning)をベースとしています。また、活動そのものよりもむしろ、活動をきっかけに気づきや学びを得ることが本質だと捉えており、教員の役割は生徒の「やってみたい」を対話を通して引き出すことや、成果に対して価値づけをすることに重きをおいています。
地域と一緒になって生徒を育む
生徒の好きなことや興味のあること、あるいは困っていることなどを対話を通して引き出すことから探究活動をスタートしています。内発的動機をスタート地点にすることで、「やらされている」「与えられている」活動ではなく自分にとっての特別なプロジェクトになるはずです。
テーマが決まったら、地域の方々にサポートしていただきながら活動を進めていきます。学校だけでは提供できない機会や世界に触れさせていただくとともに、「先生以外の大人」からの助言や称賛を得ることは生徒にとって、とても特別な体験になります。
また、地域の方々に継続的にキャンパスに関わっていただくために、「地域の方から何か与えてもらう」だけの関係ではなく、「活動を通して高校生が地域貢献する」という姿勢を大切にすることで、地域の方とWin-Winのパートナーシップを築けるようにしています。
▲ 地域と継続してパートナーシップを形成するための仕組みである「ちいきパートナー」の募集の様子。
生徒に対しては探究の前段階として、ボランティアやジョブ・シャドウイング(働く人を観察する職業見学)といった体験型の活動や、地域の方々のお話を伺う講話(本校では「夢授業」と銘打っています)への参加を促します。
小さな越境を繰り返すことで、生徒の中に眠る探究の芽を、少しずつ育んでいきたいです。
▲「夢授業」を受けるための心得を記載した用紙。生徒がより能動的に学ぶため、講師の方にとってもより良い時間になる仕組みづくりを意識している。
まずは教員が地域に出て自ら探究を楽しむ
このように地域との連携によって探究を進め、深めていくうえで私が大切にしているのは、生徒よりも前にまずは教員が地域に出たり、探究的な学びにチャレンジしたりすることです。
仕事でもいいですし、プライベートでもOK。私は探究活動の担当になってから、自分自身も探究活動として住んでいる地域にある大学の体育会系部活でコーチを始めました(テーマは教育×スポーツ×地域貢献です!)。
まずは自分自身が体感することではじめて生徒に提供できると思います。ぜひ先生方も学校のある地域やお住まいのある地域で何か始めてみてください。
▲ 「高校生マイプロジェクト 新潟県Summit」で発表する生徒の様子。生徒はインタビューにより自らの価値観をアップデートしていくプロジェクトに挑戦した。
第一学院高等学校 新潟キャンパス
https://www.daiichigakuin.ed.jp/campus/niigata/