探究への道

【探究への道 第34回】瀧村尚也先生(麗澤中学・高等学校)

作成者: IGS株式会社|2024/05/31 15:00:00

起業家精神を育む生徒主体の実践型探究学習


この記事から分かること

  • 起業家精神を育む探究学習と生徒主体のユニークな部活「SDGs研究会」

  • 産学連携がもたらす探究活動の発展

  • 活動を他校へも広め、日本全国でチェンジメーカーを増やす仕組みづくり


探究型学習に力を入れる背景とユニークな「SDGs研究会」

1935年に法学博士の廣池千九郎が現在のキャンパス(千葉県柏市光ヶ丘)に開塾した道徳科学専攻塾を前身とし、1951年に麗澤高等学校へと改称した本校は2002年に附属中学校を開校。2015年には中高一貫コースの「叡智コース」を新設、グローバル社会の中で、冷静かつ客観的に物事の本質を見抜き、複雑な諸問題を解決していく総合的な人間力である「叡智」を携えた真のリーダー育成を行っています。

また、本校は、予測不能なVUCA時代を生き抜くために必要なスキルを育むことを目指し、探究学習にも注力。その中でも「SDGs研究会」は、起業家精神(アントレプレナーシップ)を育むユニークな取り組みとして注目されています。この部活動の最大の特長は、生徒たちが自ら活動資金を調達し、持続可能なビジネスモデルに沿って運用している点です。

実際に現金を扱いながら商品やサービスを販売する事業活動を通じて、生徒たちはお金の「稼ぎ方」だけでなく「使い方」や「価値」を学んでいます。この実践的な学びは、単なるビジネス体験を超え、社会課題の解決や新しい価値創出につながる重要な教育の一環となっています。


生徒主体のプロジェクト運営と産学連携による発展

SDGs研究会では、一般企業と同じように経理部やシステム開発部などの部署を設置して役割を明確化することで、すべてが生徒主体で運営される仕組みが確立されています。企画立案に賛同した生徒同士で協働してプロジェクトを実行する方式で、現在はフェアトレードコーヒーの企画やレモネードスタンド、SDGs啓発イベントなど、9つの企画が同時進行しています。

また、部活動のため縦のつながりも自然に生まれ、経験やノウハウだけでなく思いも継承された継続的な活動が可能です。

2024年度からは、活動をさらに発展させるために、産学連携を積極的に進めています。企業の強みである豊富な経験や専門知識を学校の強みである柔軟な発想や強い思いと組み合わせることで、社会に新しい価値を生み出すことにつながればと期待しています。


社会的評価と他校も取り組める仕組みづくり

これらの取り組みは社会的にもつながり、「エシカル甲子園(主催:徳島県教育委員会・徳島県)」では、2021年・2022年大会で優秀賞を受賞し、2023年大会では最優秀賞を受賞することができました。オリジナル商品の開発・販売や、福祉の視点を取り入れた「ウェルフェアトレード」の活動とその収益が持続可能な社会づくりにつながっている点が高い評価を受けています。

さらに、2023年度からは、SDGs研究会のビジネスモデルを他校に無償提供し、フランチャイズ化して、日本全国にチェンジメーカー(活動家)を増やす取り組みを開始しました。

これにあたり、活動のマニュアル化を進め、知識や経験がなくても取り組みやすい仕組みを整えました。他校のニーズに合わせた柔軟な対応も可能です。興味がある方は、以下のリンクの「問い合わせ」からご連絡をいただけると幸いです。

麗澤中学・高等学校 SDGs研究会 活動紹介動画

 

麗澤中学・高等学校 SDGs研究会 オンラインショップ
https://rjshsdb.thebase.in/