探究への道

【探究への道 第33回】城戸孝之先生(星城高等学校)

作成者: IGS株式会社|2024/04/30 15:00:00

地域協働×探究学習:主体性と協働性を育む高校生の学びの事例

 

城戸孝之先生 星城高等学校


この記事から分かること

  • 社会課題を解決する当事者としての意識を育む探究

  • 地域との連携・協働をうまく成立させる鍵

  • 探究活動における「フリーライダー」の課題


グローカルな学びの実践

本校は愛知県豊明市に1963年に開学し、今年で62年目を迎えました。建学の精神「彼我一体」を柱に、礼節・進学・スポーツ・国際交流を重視し、「”感謝のできる”実践力に富んだ逞しい人間の育成」を目標としています。

本校の探究活動は、平成27年度のSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)アソシエイト校の指定をきっかけに本格的にスタート。グローバルな視点での学びを展開する中、その多くが地元の地域社会と密接に関係していることに気付きました。令和元年度からは「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(グローカル型)」の指定を受け、グローバルな視点での学びをローカルな視点での地域活動につなげていくグローカルな学びを展開しています。


主体性と協働性を育む探究型学習

本校の探究学習では、以下の2つの資質・能力を育成ポイントとしています。

  • 主体性:社会課題を自分ごととして捉え、能動的に取り組む力
  • 協働性:周囲と協力しながら課題解決に向けて活動する力

そして、いわゆる探究サイクルの前に「興味・関心のある社会課題との出会い」を大切にしています。

具体的には以下のような取り組みを行っています:

  • JICA職員の海外現地からの生中継での講演
  • 国際交流協会社会福祉協議会職員による地元地域の多文化共生や健康福祉に関する講話

こうした社会課題に取り組む現場の人々の生の声は、生徒が社会課題に興味を持ち、自分ごととして捉えるきっかけとなるはずです。

また、課題解決に向けて実際に動いてみることで、失敗も含めて多くの学びが生まれると考えているため、探究活動には課題解決に向けたアクションを組み込むようにしています。

これらの仕掛けにより、社会課題を解決する当事者としての意識の芽生えにつながることを期待しています。


地域協働の鍵:Win-Winの関係構築

地域協働を軸にカリキュラムを開発する際、地元自治体・企業とコンソーシアムを構築して探究活動を設計しましたが、協力関係をうまく成立させるには、Win-Winの関係性を明確にすることが重要であると経験から学びました。

事例:外国籍児童の日本語学習支援

  • 取り組み:生徒がボランティアとして「子ども日本語教室」に参加
  • 成果:高校生が加わったことで外国籍児童の日本語学習の意欲が向上
  • 生徒の学び:国際交流協会の職員や外国籍自動への取材活動を通じて多文化共生への理解を深めた

最終的には、生徒が地元の歴史・文化を題材にした日本語学習カルタを制作し、課題解決に貢献しました。このような地域協働におけるWin-Winの関係をいくつも築いていくことが、グローカルな学びを後押ししてくれます。

 
フリーライダーを防ぐ

探究活動はグループ学習が中心ですが、課題となるのが「フリーライダー(活動に積極的に参加しない生徒)」の存在です。探究的な学びの内容や進め方は学校によってさまざまですが、どの教員も生徒が主体的に活動することを望んでいるはずです。どうすれば「フリーライダー」の生徒がいない探究活動にできるかに焦点を当てながら探究の授業計画を考えるのもよいのではないでしょうか。

 

星城高等学校「探究ブログ」
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