この記事から分かること
九里学園高等学校は、山形県米沢市に1901年に創立された、県内最古の私立学校です。「礼:人間の尊厳を信じ、その高貴さにふさわしく行為しよう」と「譲:自らの持てる力を発揮して愛する世の人々に捧げよう」の校是と「協同和楽:お互いに力をあわせ、すばらしい集団づくりに参加しよう」の精神の下、教育活動を展開しています。
早期から留学生の受け入れや交換留学、研修旅行など海外との交流も取り入れ、平成27年度にはSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)アソシエイト校に、令和元年度からは「地域との協働による高等学校教育改革推進事業 グローカル型」に指定されました。これらの事業の指定を受ける以前から課題研究での学びに取り組んではいましたが、世界と地域をより意識した探究学習の体系的なカリキュラムの必要性を感じ、学校として構築に取り組んできました。
本校の探究学習のポイントは以下の2つです。
解決すべき社会課題をグローバルとローカルの2つの視点から考えるようなカリキュラムを設定しています。例えば「貧困問題」を考えるとき、世界の貧困問題と同時に国内での相対的貧困、子どもの貧困、ヤングケアラーなどについても併せて学びます。これにより、世界各国が行っている取り組みや先進事例を国内の問題解決へ応用できないかなど、グローバルな視点とローカルな視点での学びが同時双方向的に作用し合い、螺旋構造的に発展していくようにカリキュラムを構築。そのほかにも「食糧問題」「多文化共生」「環境・エネルギー問題」「難民・移民」「気候変動」など、扱うテーマも多種多様に設定しています。同時に、地域フィールドワークや海外研修も組み入れ、大学教授やJICAとの連携を通じて、学びを深めています。
本校の探究学習は、グループでのPBL(プロジェクト型学習)からスタートして探究の方法や進め方を体験的に学んだあと、生徒個人の関心に基づいたテーマ探究に移行します。実際に地域に繰り出してフィールドワークや地域の方々へのインタビューを積極的に行い、五感で一次情報を学ぶよう推奨。成果は外部の発表の場を活用しながら発信します。昨年度は台湾へも訪問し、現地の高校生に向けても発表を行いました。プロジェクトの成果を国内外に幅広く発信することで、山形県の課題や魅力の発信につながることも期待しています。
私たちが大切にしているのは、生徒の「学びの器」を広げることです。生徒自身の興味や関心がなければ学びは器からこぼれ、生徒はやらされている感を抱き学びが退屈なものになってしまうかもしれません。いろいろなものごとを探究することで、その過程で疑問や問いが生まれ、知的好奇心が生まれます。それこそが「学びの器」を少しずつ広げることにつながります。その結果、生徒はどんな学びに対しても主体的になり、自律的に学び合うようになっていきます。本校でも、探究的な学びが知的好奇心へとつながり、さらに教科学習へも良い影響を与える実例が多く見られています。そんな生徒たちを目の当たりにしたからこそ、この「学びの器」の重要性を感じることができ、校内でも探究学習への理解者を増やすことができたのではないかと信じています。
九里学園高等学校:
https://kunori-h.ed.jp/
※内容はすべて2024年3月当時の情報です。