本校は、キリスト教精神に基づく人間教育、学習指導、体験学習を柱とし、「Only One for Others」を理念に教育活動を行っています。2020年度からは「StudentからLearnerへ」を共通言語とし、学習者中心の個別最適な学びを目指し、探究中心の授業設計を模索しています。
本校の特長の一つが2013年度からスタートした思考力入試。レゴ®シリアスプレイ®のメソッドを活用したレゴ®ブロックを使ったものづくり思考力入試、デザイン思考を取り入れたデザイン思考力入試をはじめ、 4つの思考力入試を実施しています。また、2021年度には「グローバルイノベーションクラス」を新設。世界に貢献できる人材を育成するため、「ものづくり」「ことづくり」を通じた探究型学習を行っています。
夢中になれる力と協働するマインドを育む
探究では主に思考力を育むことを目指し、中学1年生から各教科での探究型・PBL型の授業、中学2年生では毎年ある宿泊型学校行事にもPBL型の学びの要素を導入。PBLや探究といった教育コンテンツに興味や関心のある若い教員も多いです。探究型教育を通して、「夢中になれることを見つけ、熱中できる力」と「協働できるか、協働できなくても他者との違いを認められるマインド」を育みたいと考えています。
その実現に向けた取り組みの一つに「問いづくり」があります。本校では、中学1年生から思考をドライブさせるドライビングクエスチョン(駆動質問)を「学年の問い」として考え、1年間の学びの柱としています。生徒が入学する前の3月に学年教員間でミーティングを重ね、教員の想いと生徒の学びをつなげる問いをひねり出します。探究で一番大切なのは、自分で「問い(学びの軸)」をもつことです。また、同じ物事でも学びの大きさは人それぞれで、発達段階、環境、気分、感情は誰一人として同じではありません。これらを踏まえ、学びを最大化するため、そのときの自分の「問い」をもって学習に臨んでもらいたいと考えています。
教員の役割は、生徒が自ら問いを生み出すサポートをすること、遠回りに見えても生徒を信じて任せること、学習者が主役だということを忘れず手と口を出しすぎないこと。生徒が困って質問してきても、心を鬼にし思っていることを言わないこともときには必要です。さまざまなひと、もの、こと(経験)に出会う探究型学習を通して生徒の「生きる選択肢」を広げることに教員一同チャレンジしています。
探究型学習を進める中で見えてくる課題もたくさんあります。特に問題なのは「押し付け探究」。当初は学習者中心だった探究でも「教員の意志」が徐々に色濃くなり、「先生の答え」が見え始め、さらに「あるべき論」が出れば「押し付け探究」の完成です。教員からは主体的に取り組んでいるように見え、先生にとって最高の課題設定、プロセスを実現し、理想の結果を出してもそこに生徒の本当の学びは皆無。評価の高かった素晴らしいプロジェクトについて、リーダーである生徒から「あれは主体性の強要です」と聞かされ残念に思ったこともありました。
ティーチング主体の教育を受けてきた今の世代の教員は無意識に教員主役のコーチングに流れてしまうケースがよくあります。しかし、必要なのはファシリテーションであり、探究型学習の伴走です。
教員には、探究型学習の設計が学習者中心になっているかチューニングし合う「壁打ち相手」の存在が欠かせません。形だけの探究は、行動変容にはつながっても、価値変容は実現できないことを忘れないようにしたいです。
学校には「手放した方がいい仕事」がたくさんあります。探究型学習を推進するには、教員が新しいアイデアを生み出したり、壁打ちチューニングしたりといった時間が必要です。生たち本来の創造力を発揮するために時間という「余白」をつくることが大切。もしかしたら、私たちの取り組みから何かお手伝いできるかもしれません。学外に仲間をつくることで実は簡単に乗り越えられるものもあります。本校は見学自由ですので、いつでもお問い合わせください。