探究への道

【探究への道 第21回】山元祐輝先生(東明館中学校・高等学校)

作成者: IGS株式会社|2023/04/30 15:00:00

PBLを活用した主体的な学びの実践とは?


山元祐輝先生 


この記事から分かること

  • 高校生向け探究学習の具体的な事例(地域課題解決・国際協力・人権問題など)
  • PBL(Project-Based Learning)を活用した授業設計のポイント
  • 探究学習を通じて身につくスキル(自己表現力・問題解決力・協調性など)
  • 総合選択制を導入した教育改革の狙い


Society 5.0に必要な「自律・自走/相互承認/創造」

本校は佐賀県基山町にある私立の共学中高一貫校です。生徒のWell-Being(ウェルビーイング)の実現のために「好学愛知・自律自啓」という校訓から Society 5.0 に必要な「自律・自走/相互承認/創造」を育んでいます。


PBLを軸にした探究コースの設置

2020年度、本校では探究コースを新設し、PBL(Project-Based Learning)を軸にした学びを導入。探究コースの生徒はほぼすべての科目をプロジェクトベースで学習し、知識を活用しながら実践的な学びを深めてきました。


探究学習の具体的な事例

基山町の町おこしプロジェクトでは、地域課題の解決や地域住民とのコミュニケーションの大切さを学びました。一般社団法人Cancer XとPodcastを利用してコラボレーションをしながら世界的な問題である人権や医療について取り組み、人権について紹介する絵本を作成したプロジェクトでは、探究活動を通してグローカルな視野を広げることができたと思います。また、2021年度からは、認定NPO法人テラ・ルネッサンスと「ウガンダの元子ども兵の社会復帰支援」「カンボジアの地雷被害者の自立支援」を題材として、協働プロジェクトを実施してきました。


探究学習を通じて育まれる力

これまでの学習方法に疑問をもつ生徒や、これからの社会の変化に向けて新たな価値を創造する力を伸ばしたいという思いを抱いて入学する生徒が多い探究コース。生徒はPBLを通して、自己表現力や問題解決力を養い、自己成長や自己実現のための能力を身に付けるだけでなく、コミュニケーション能力、対話的手法を用いた合意形成する力、協調性やリーダーシップ、創造性など、これからの社会で重要とされる能力をしっかりと身に付けていってくれているようです。


未来を見据えた探究学習の重要性

今後、テクノロジーの進化により、AIやロボットが多くの仕事を代替する時代が到来すると想定されます。一方で、人間特有の感性・創造力・共感力(エンパシー)がより重視される社会になるともいわれます。そのような社会で生きていくためには、自己実現や自己成長を促す学びが必要であり、それを通して自己表現力や問題解決力、多様な他者とコミュニケーションできる能力を身に付ける必要があります。探究活動はその有効な手段の一つです。


教育改革:総合選択制の導入

2023年度からは、探究コースを含め本校にもともとあった3つのコースを廃止し、新たに総合選択制※をスタートしました。これにより、入学前のコース選択や文理選択によって起きるミスマッチングの解決と自己決定の機会を増やすことができます(詳細はWebサイトに掲載)。すべては生徒のWell-beingの実現のために「私たちができることは何か?」を問い続け、これからも積極的に実践を重ねていきたいと思います。

※東明館高等学校23年4月スタートの「総合選択制」について

 https://www.tomeikan.ed.jp/curriculum-high-school 

 ※内容はすべて2023年5月当時の情報です。