探究型学習や教科指導におけるグループワーク、学校行事でのチーム編成。「どのような基準でグループを作ればよいのか」「生徒の相性や特性をどのように考慮すればよいのか」「40名のクラスで6グループ作るのに、毎回1時間以上かかってしまう」こうしたお悩みを抱える先生方は少なくありません。手作業でのグループ分けは時間を要するだけでなく、どうしても主観的な判断に頼らざるを得ない面があります。
「Ai GROW」のグルーピング機能は、生徒の気質や非認知能力データに基づいて、教育目的に応じた最適なグループ編成を自動で提案。本記事では、「グループ分け」を支援する機能の概要と具体的な活用方法について解説いたします。
2022年度より、文部科学省は高等学校における「スクール・ポリシー(育成を目指す資質・能力に関する方針)」の策定・公表を義務化しました。スクール・ポリシーは、各校が育てたいと考える生徒の資質・能力やそのための教育方針を明示する重要な指針です。しかし、「理念はあるが実際の効果を示すことは難しい」「教育の効果を指標化・数値化しづらい」「学校だけでは定性的な評価にとどまり形骸化を招いてしまう」といった課題を多くの学校が抱えています。
また、これまで段階的に進められてきた授業料負担軽減策に加え、2025年度からは高等学校等就学支援金制度の所得制限が撤廃されることで、公立・私立間の学費面での格差が縮小化。生徒が学校の特色や教育内容に基づいて「自分に合った学校を選ぶ時代」が本格的に始まり、学校にとってはスクール・ポリシーの効果的な運用とその効果の可視化を進め、自校の教育内容の独自性と学習効果の高さを社会に発信するエビデンスと広報力が一層重要となっています。
こうした背景の中、探究学習やPBL(Project Based Learning、課題解決型学習)など、グループワークを中心とした教育活動の重要性が高まっています。しかし、効果的なグループ編成を行うためには、生徒一人ひとりの特性を把握し、教育目的に応じた組み合わせを考える必要があります。この作業を先生方の勘と経験だけで行うには限界があり、客観的なデータに基づいた支援が求められているのです。
生徒の非認知能力とその成長を可視化する「Ai GROW」は、生徒の自己評価に加えて、生徒同士が評価をする「相互評価」も取り入れています。さらに、他者を評価するうえで生じやすい、忖度や性格から生じる甘辛などの評価の偏りをAIが補正することで、個人の資質・能力を公正に可視化できます。この結果を活用した独自のアルゴリズムにより、生徒の気質とコンピテンシー(行動特性)の計測結果を基に、教育活動の目的に応じた生徒の組み合わせを自動的に作成するのが、グルーピング機能です。作成したいグループ数、育成目的、グループタイプ(調和性重視または多様性重視)を選択するだけで、データに基づいた最適なグループが提案されます。
この機能は2025年6月に、前述のスクール・ポリシーと連動する形でアップデート。学校が掲げる教育目標をあらかじめ「Ai GROW」に登録しておくことで、その目標に即したグループ編成が可能になります。これにより、学校の教育目標の達成をより意識したチーム分け・グループワークが容易になり、指導と評価の一体化にも寄与します。
グルーピング機能では、教育活動の目的に応じて2つのタイプからグループ構成を選択できます。それぞれの特徴を理解し、授業や活動の目的に合わせて使い分けることで、教育効果を最大化することが可能になります。
類似した特性をもつ生徒を集めたグループです。共通の強みや傾向をもつメンバーで構成されるため、協働学習において安定した活動が期待できます。
このグループ構成では、一般的に議論のテンポが合いやすく、深い思考に集中できる環境が生まれやすくなることから、文献を読み込んで議論を深めるような課題、じっくりと考えを練り上げるプロジェクトなどに向いています。
また、年々増加傾向にある不登校リスクの極小化を目的に本機能を活用し、調和型のクラス編成を行う学校も増えています。
あえて特性の異なる生徒を組み合わせたグループです。多様な視点や能力をもつメンバーで構成されるため、イノベーションや創造的な活動に適しています。
一般的に、新しい企画を立案する学校行事の準備など創造性が求められる場面で効果を発揮し、異なる視点をもつメンバーが集まることで、一人では思いつかないようなアイデアが生まれやすくなります。アイデアソンやハッカソン形式の活動、商品開発やサービス提案などのプロジェクト学習に最適です。
グルーピング機能では、グループタイプに加えて、育成したい能力に応じてさまざまな目的を設定できます。目的を明確にすることで、その能力を伸ばすために最適な生徒の組み合わせが提案されます。
特に注目すべきは、スクール・ポリシーと連動した設定です。校訓や学校教育目標を「Ai GROW」に登録しておくことで、その目標に即したグループ編成を可能にしています。これにより「総合的な探究の時間」や教科指導、学校行事において、学校の教育方針と日々の教育活動をより有機的に接続することができます。
グルーピング機能では、コンピテンシーに基づいて先生方は一切の負担なく全自動でグルーピングできることが大きなメリットです。ときには、先生方の見方とは異なる組み合わせの方がうまく回ることもあります。データが示す新しい可能性に目を向けることで、これまでにない発見があるかもしれません。
もちろん、生成されたグループは一部、手動で調整することも可能です。生徒間の人間関係や、特別な配慮が必要な事情など、データだけでは把握しきれない要素もあります。先生方の経験や知見を踏まえた調整を加えることで、より適切なグループ編成を実現できます。
このように「Ai GROW」のグルーピング機能は、生徒の非認知能力データに基づいて、目的に応じた最適なグループ編成を提案することが可能です。先生方の経験や知見と、データに基づく客観的な分析を組み合わせることで、より効果的な教育活動を実現できます。
生徒一人ひとりの資質・能力を正しく見取り、的確に育成し、社会に向けて発信することが求められる今、教育現場では「効果の証明」と「教育の魅力づくり」の両立が必要で、本機能はそのお手伝いができるものと考えています。グループ分けにお悩みをもたれていたりご負担を感じている先生、より効果的なグループ編成を模索されている先生は、ぜひ「Ai GROW」のグルーピング機能をご活用ください。